展示物のご案内

秩父山地のおいたち

「秩父の大地のなりたち」「大洋の時代」「大陸縁辺部の時代(付加体形成)」「古秩父湾の時代」「列島の時代」という、5枚の吊りパネルで、日本列島と秩父山地のおいたちを説明しています。
パネルの前に陳列してある岩石は、秩父山地や秩父盆地で採取したものです。ガラスケース内の化石は、アメリカから輸入したり、秩父地方や日本各地で採取したものを展示しています。
また、示準化石といって地質年代をきめるのに役立つ貴重な化石もこの中に含まれています。

武甲山の地形と地質

展示室の中央に、武甲山を中心とした立体地形が展示してあります。赤くポイントされているのが、当資料館で、すぐ前に「姿の池」があり、武甲山が南東方向にそびえています。いま石灰岩を採掘しているのは、主として山の北面です。
地質図で見ると分るように、石灰岩の背後は比較的風化しやすい緑色岩などで、石灰岩をカバーロック(岩石のおおい)として残し、採掘方法もベンチカット(階段状に掘る)とし、ベンチに樹木などを植えて緑化するように施工しています。
「秩父の気象」という吊りパネルでは、秩父地方の気象の特徴を統計的に説明しています。

石灰岩の利用と分布

「石灰岩の種類と出来方」の部分では、石灰岩の出来方にいろいろな方法があることを説明しています。
「石灰石の用途」の部分では、セメントとして利用するもの、石灰石そのものを利用するもの、石灰石を焼いて利用するものの3本の柱に分けられ、44枚の丸型カラー写真で用途を示し、私達の生活に広く利用されていることを展示しています。
「石灰石鉱床・鉱山の分布」「県別石灰石の生産量」の2枚の吊りパネルでは、日本の主な石灰石鉱山、石灰石関連企業と、埼玉県が日本でも有数の産出県であることを示しています。
映像では、石灰岩の採掘や破砕、公害防止や緑化のようすを説明しています。
「社会の変遷と武甲山」という吊りパネルでは、時代と共に歩んできた武甲山採掘の状況・武甲山関連企業の現況について説明しています。

武甲山の植物

武甲山の石灰岸壁や岩礫地には、植物分布の上から注目すべき植物が見られます。中でもチチブイワザクラ、ミヤマスカシユリ、ブコウマメザクラなどは、石灰岩という特殊な環境下で長い年月の間に変形した植物です。
また、ブコウカスミザクラ、チチブミネバリ、チチブヒョウタンボク、チチブヤナギなどの姿も見かけます。
また武甲山は明治以来、石灰岩特有の植生を示す格好な植物研究の場として注目され、多くの研究者や愛好家が訪れ、数々の新発見がなされてきました。表裏15枚のカラー写真は、貴重な植物の代表的なものです。

武甲山周辺に生息する動物

ここは「森林にすむ動物」「岩場にすむ動物」にわけてあります。
武甲山の南西面の中腹から山麓にかけては、コナラ、ミズナラ、スギ、ヒノキなどがたくさん生えています。この中には哺乳類としては、ツキノワグマ、イノシシ、キツネ、タヌキ、ムササビなどが住んでおり、鳥類としてはキジ、ヤマドリ、コジュケイ、その他多数の動物が住んでいます。
昆虫類は、セミ、チョウ、甲虫などが生息しています。
石灰岩の岩場には、ニホンザルの数群が住んでいましたが、今では山麓の森林地帯などに移動し、頭数も増加しています。
石灰岩の露出地には、キセルガイ、カタツムリの仲間が好んで生活しています。

石灰石の採掘と緑化活動

「石灰石採掘の流れ」パネルでは、採掘から出荷までの方法について具体的に説明し、「緑化活動紹介」パネルでは、企業の緑化取り組み状況・実績について説明しています。

映写室

武甲山に関するDVDの上映を行う他、武甲山の植物に関連するパネルや写真の展示も行っています。
昭和50年代に撮影された「武甲山」等のDVDコンテンツも見られます。

入口ホール

地元の小学生による武甲山の写生画や作文、写真パネルの展示をしています。